

1921
1921年、東京・神田須田町にHARIO株式会社の前身である柴田弘製作所が創立され、理化学用硝子器具の製造・販売を開始しました。
ヒロム印ビーカー、フラスコ、シャーレ、冷却器の製造に加え、ガラス溶融の研究に着手し、硬質1級ガラス「ハリオガラス」の溶融に成功しました。
1960's
これまで培った耐熱ガラスの技術を活かし、ガラス食器の分野にも進出したHARIOは、本格派コーヒーといわれるネルドリップの味わいに近く、手入れが簡単なコーヒードリッパーを作れないかと、会社のガラス試験室にあった理化学用の円すい形の漏斗でコーヒーをドリップしてみるなど試行錯誤を重ねました。
1980年、ネルのようにペーパーを浮かせるようにして抽出する構造を持つペーパードリッパーを発売しましたが、残念ながら普及には至りませんでした。
2004 ~ 2005
その24年後、HARIOは改めて開発プロジェクトを発足させました。通常、ドリッパーのリブは上下にまっすぐ伸びていますが、隣り合うリブの間の部分ではドリッパーの壁面とペーパーが密着し、空気が抜けにくいので抽出効率が下がると考えました。
そこでペーパーを浮かせて空気の通り道をつくるために、リブの形に「ひねり」を加えました。この「ひねり」に加えて、底面を大きな一つ穴にしたことにより、お湯がドリッパー内に長く滞留することを防ぎ、素早く注げばすっきりとした味に、ゆっくり注げばコク深い味に、抽出のスピードでコーヒーの味を自分好みに変えられるドリッパーが2005年誕生しました。
2020

2007年には、当時完成していたプラスチックとセラミック素材のV60で日本のグッドデザイン賞を受賞。また、2010年ワールドブリュワーズカップ大会でV60を使用した選手が優勝して以来、口コミで世界に広がりました。
現在では、世界のコーヒーの競技会やカフェで、コーヒーの味をストレートに表現できるドリッパーとして多くのバリスタやコーヒー好きに愛用されています。